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2013年03月26日

真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生。人は人に裏切られるが、想いは‥



本のタイトル:真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生
著者:大沼紀子
お奨め度:★★★★☆

真夜中のパン屋さんの感想はこちら
真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒の感想はこちら
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真夜中に営業する"真夜中のパン屋さん"(通称まよパン)シリーズの第3弾です。今回は何かと同じクラスである希実につきまとう転校生、美作孝太郎。でもこの孝太郎。不思議な男の子で、アンジェリカと呼ぶ腹話術人形をいつも持っている、自称シャイボーイ。そして孝太郎が希実に頼み事をし、それによりパン屋の面々はまたも騒動に巻き込まれていきます。

この本は4話とエピローグ構成で、第2弾と同じで1冊通じての長編ものです。でも登場人物の面々が個性的+ストーリーの面白さで、ぐいぐい惹きこまれ、読んでいて飽きません。やはり面白いです。そして最後は‥。気になる終わり方で、次回が待ち遠しいです。

登場人物はいつものメンバーで、パン屋さんのオーナー暮林。そして腕の良いブランジェ(パン職人)の弘基。居候している高校生の希実。そして常連客はである、小学生のこだまと母親の織絵。変態で調査能力抜群の斑目。ニューハーフのソフィア。相変わらずの個性豊かで、読んでいて楽しいです。

そして衝撃だったのは、希実につきまとう孝太郎がなんと"こだま"の異母兄弟。つまり"兄"ということ!だから、孝太郎はこだまと仲良くしたい、と言います。そして更に衝撃的な事を言います。織絵が今付き合っている男性は「安倍先生」という医師で、その人は問題ある人ということ。

例えば務めていた病院で患者の遺産を奪いとろうとしたり、病院の看護婦全員に手を出したり‥いわゆるトラブルメーカーというのです。そしてなんとブランジェリークレバヤシの常連客でもあったのです。ちなみにパン屋では、ビールとタマゴサンドを食べて、他のお客相手に手相を診ている怪しい客です(笑)

そしてそんな人と織絵はひょっとしたら結婚するかもしれない。つまり、こだまの父親になってしまうかもしれないというのです。それで孝太郎は、希実に安倍先生を探ろうと持ちかけました。希実はまぁ、流れでOKしてしまうのですが。相変わらず、人に対して警戒心が強いのに、意外に騙されやすく、巻き込まれやすい(笑)。

そして2人で安倍先生を調査して、安倍先生の診療室へ忍び込み、そして衝撃的な事件が。そしてその事件をキッカケに、今度は白い粉を発見!いったいこれは!?安倍先生とはいったい、どういう人?やっぱり怪しい人?詐欺師?女たらし?

そしてその後、孝太郎の真の目的が分かります。孝太郎、一体何を考えているの?

また孝太郎の境遇には同情します。父親は孝太郎が出来が悪いからと、"アレ"呼ばわり。息子というか、人として扱っていないのです。そして孝太郎にはそんな家族しか回りにいないのです(1巻を読めばどんな人かわかりますが、嫌な人!)ただ、ある出来事を通じて、孝太郎と父親の関係は変わるのではないかな?そんな風に思います。

そして最後の最後には、希実の‥。次回が楽しみです。
posted by ちゃよ at 19:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味本>大沼紀子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月21日

真夜中のパン屋さん。人はパンで繋がっている‥?



本のタイトル:真夜中のパン屋さん
著者:大沼紀子
お奨め度:★★★★★

この本は第3弾まで出ており、2013年4月から滝沢秀明さん主演でドラマ化します。この本は第1弾です。
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この話は、夜23時〜午前5時まで営業時間という真夜中だけ開く、”ブランジェリークレバヤシ”というパン屋さんが舞台です。本当はこのパン屋を開くはずだった亡き妻、美和子の意思を継いだ、オーナ兼ブランジェリー見習いの暮林。そしてブランジェリーでイケメンであるが口が悪い弘基。2人で開店したお店です。

そんなお店にある日、変化が起こります。美和子の義妹と名乗る女子高生、篠崎希実が現れたからです。そして希実は暮林の親切から、ブランジェリークレバヤシの2階に居候することとなります。

またパン屋さんの客である自由奔放な水野こだま、変態の斑目祐也、ニューハーフのソフィア等が絡まり、人探しや失踪事件が発生していきます。

本はプロローグと6話の短編の構成。各章において、それぞれの登場人物が主になっており、各章はつながっている連作ものです。文章は読みやすいですし、それぞれの人物がみんな一癖も二癖もある人物なので、読んでいて楽しくて、飽きません。

また最初私は暮林は美和子とずっと別居しており、愛していないのか思っていたら、本当は‥。人は外からではわからないものだな、と改めて思いました。

第1章は、居候である希実の話です。希実の母は、「カッコウ」。カッコウのように、希実をあちこちの托卵先に預けて、遊ぶということを繰り返しているのです。そして今回も‥。だから希実はにとって家庭は戦場のようなもの。気が抜けない場所で、当然家庭の温もりなんて知りません。

また希実の戦場はもう一つあります。それは、学校。そこで幼馴染の鈴香に虐められているからです。でもいつも希実は、前を向いて、歯を食いしばり、生活しているのです。しかし本当の希実は‥。

第2章は、水野こだまのお話。こだまはブランジェリークレバヤシで万引きしたことがキッカケで、希実が面倒を見るようになっていきます。そしてこだまが抱えている問題が分かり、希実達は人探しを始めていきます。

第3章は、ブランジェリークレバヤシの常連客であり、変態である斑目。希実が宅配してくるパンを楽しみに、いつも覗きをしています。それには理由があり、片想いをしている女性を遠くから、(見守る)覗くため。そしてそんな斑目に何故か同感したのが、弘基。えっ!?意外。口は悪いけど、もっとまともな人だと思っていたのに(笑)。

そして、片想いの女性の身にある出来事があり、希実にSOSが‥。そしてこの事件をキッカケに、斑目は希実達と仲良くなり、協力的に。それにこの斑目はすごい特技があり、調査能力はなんと素人以上なのです。その力はその後の物語に重要な力を発揮していきます。最初はただの気持ち悪いおじさんですが、慣れてくると面白いです(ただ実際に近くにいたらどう思うかは‥)

そして第5章と第6章では、弘基と暮林の過去が分かります。弘基は暗い過去を背負ながら、その過去に負けないように生きています。そして自分を正してくれたある女性を、ずっと大切に思っています。意外にピュアなのです。

また暮林も美和子との過去が分かり、美和子に対する想いが‥。最初の印象では、脳天気なおじさんだったのに、意外でした。各登場人物がより身近にに感じます。

また話を通じて思うのは、”人は人と繋がっている”ということ。ブランジェリークレバヤシに集まっている人は、元は他人同士。でもブランジェリークレバヤシというお店で、みんなが繋がっており、それぞれがお互いを助け合っている。そしてお互いがいるから、新たな巣(家庭)が築いている。そんなふうに思いました。

一癖も二癖もある登場人物達。これからどんなふうに成長していくのか、楽しみです。

第2弾「真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒」の感想はコチラ♪
第3弾「真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生」の感想はコチラ♪
posted by ちゃよ at 18:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味本>大沼紀子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月20日

真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒。人は人との出会いによって変わることができる



本のタイトル:真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒
著者:大沼紀子
お奨め度:★★★★☆

前作「真夜中のパン屋さん」の感想はコチラ
次の第3弾「真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生」の感想はコチラ
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真夜中のパン屋さん(まよパン)は、真夜中(午後11時〜午前5時)にだけ開く不思議なパン屋さん「ブランェリークレバヤシ」が舞台です。1作目は短編物で、それぞれの話で登場人物の意外な過去が浮き彫りになりました。最初に抱いた登場人物のイメージが、それぞれの過去を知るに連れて変わっていき、それが面白かったです。それで2作目も買ってみました。

尚、まよパンは2013年4月から滝沢秀明さん主演でドラマ化します。まよパンシリーズは、累計68.5万部も売れているので、売れている小説からドラマ化や映画化が最近は多いなぁ、と思います。ただ、どうか、原作とイメージがどうか違いませんように!(ビブリア古書堂みたいに‥)

さて、話を戻します。登場人物は、パン屋さんのオーナーである暮林。ほのぼのとしている人だと思っていたら、実は苦労している人で、亡くなった妻を今も愛しているのが分かります。それに腕の良いブランジェ(パン職人)である弘基は、実は過去は不良で女たらしでした。でも1人の女性、美和子(暮林の妻)と出会い、変わりました。

そんなパン屋さんに居候している高校生の希実(のぞみ)の母は育児放棄をするし、パン屋さんに遊びに来る小学生のこだまも希実と似たような環境。また常連客である斑目は望遠鏡で覗きをするのが趣味という変態で、同じく常連客のソフィアはニューハーフ。

こんな個性豊かな登場人物で、読んでいて楽しいです。でもみんな心に何かしらの”闇”を持っていますが、普段はそれを見せずに過ごしています。

そして今回の話のテーマは、弘基の中学生時代の恋人「由井佳乃(ゆいよしの)」についてです。佳乃はある日ふらりとパン屋さんに現れ、暫くの間家においてほしい、とお願いします。結局、希実が居候しているパン屋さんの2階に佳乃も同居することになりました。

同居してすぐに希実は、佳乃を怪しみます。お金がないと言いながら、ボストンバッグに大金を持っていたからです。それに、どうして行く宛がないのか?今までどうしていたのか?佳乃はそういう話をしません。

また佳乃はパン屋さんの店番をしますが、やたらと暮林にべったり。そして常連客達にも愛想を振りまくり、特に斑目は‥。そんな佳乃だから、希実は佳乃のことを気に入りません。おまけに佳乃を”結婚詐欺師”と言い、しつこくつきまとう男まで登場します。‥本当に大丈夫!?

希実は悶々とした日々を過ごし、弘基に佳乃を調べるように再三頼みますが、弘基はのん気そのものです。そしてその間に斑目と佳乃の仲は接近し、更には斑目は佳乃のために婚約指輪まで用意する始末。

そんなある日、パン屋に3人の男たちが押しかけてきます。もちろん、佳乃を探して。そして希実は迷いつつも、佳乃の部屋に向かうと、そこは既にもぬけの殻で−

いったい佳乃は何者?本当に結婚詐欺師?それに佳乃がもっていた大金は何?佳乃の狙いは?
これが読み進めていくと、わかってきます。それにしても佳乃は中学時代は美人で頭もよく、お金持ちで、誰にでも親切で、まさに高嶺の花。それなのに弘基と別れてから、佳乃に不幸が降りかかり、そして−

またこの本では、弘基の心の闇も分かります。弘基は実は今も、昔(不良時代)の夢を見ています。なかなか抜け出せない、心の葛藤がよく分かります。でも、弘基は言います。”人は変われる”と。弘基の場合は、それが美和子との出会い。そして佳乃にとっては‥。

長編ですが、意外な展開で読んでいて面白いですし、文章も読みやすいので、さらっと読めます。それに登場人物がユニークだから、飽きずに、楽しめますよ。

posted by ちゃよ at 11:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味本>大沼紀子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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