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2013年06月24日

公開処刑人 森のくまさん。法律だけでは解決できないこともあるけど‥



本のタイトル:公開処刑人 森のくまさん (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) [文庫]
著者:堀内公太郎
お奨め度(MAX5):★★★☆☆
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この本はミス大賞の隠し玉で、同じ隠し玉の「タレーラン」が面白かったので、手にとって見ました。ただ、感想としては、うーん、いまいちです。夫いわく、「このミスは微妙」に、納得。まぁ、でも、久々に1日で読破していますが(笑)

尚、ほのぼのとしたタイトルと表紙絵は違い、中身‥という本です。ギャップがありますよ。

あらすじ
公開処刑人「森のくまさん」は、犯行声明をネットに公表する連続殺人鬼。警察は必死に犯人を探すが、中々進展しない。殺された被害者は5人で、レイプ常習犯やいじめを助長する鬼畜教師、援交し料金を払わないオヤジなど、殺されてもしょうがないような悪党ばかり。

その為、ネット上では犯人を支持する人もいるし、殺してほしい人の名前を書き込む人も出始めた。まさしく騒然とした世の中。

そして一方、いじめに苦しんで、自殺しようとした女性高生2人の前に謎の男が現れて‥。

感想
ミステリーは「森のくまさん」の正体ですが、私は途中で犯人がわかりました。結構分かりやすいのが、残念です。また最後の最後で女子高生が「森のくまさん」に感化されたのは、意外でした。彼女はいじめに苦しんで、心が歪んだんだ、とは思いますが、影響されてほしくなかったなぁ。

また、「森のくまさん」って、たしかに不思議な童歌なんですね。うーん、複雑。

また全体的な印象としては漫画の”デスノート”に近いものがあります。そしてデスノートの中の犯人キラの方が、”自分なりの正義”を持っていたように思います。キラは殺人という方法は間違っているけど、”世の中を良くしたい”と言う想いを持っていました。

しかし森のくまさんは、そういう”自己主張”はするが、果たしてそうでしょうか?段々と、快楽殺人者のようになっているように感じました。

また加害者も同様に、”自己主張”をします。でも歪んでいるとしか思えません。レイプ犯は女性は警察に言わないから、やらないのは損だと思うし、いじめをする方はいじめをされる方が悪い、だし。でもこういう人って、どこか歪んでいるとは思います。

たしかに世の中、酷い人はいて、それが法律でさばけないかもしれない。でも”法律は人が作ったもので、完璧ではない。だからこれから進化が必要だ”(デスノートでこんな言葉をキラのお父さんが言っていた記憶が)と思います。みんなが住みやすい世の中になれば、いいなぁ。

posted by ちゃよ at 17:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味本>小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月13日

栞子さんの本棚 ビブリア古書堂セレクトブック 。たんぽぽ娘が一番好き!



本のタイトル:栞子さんの本棚 ビブリア古書堂セレクトブック
お奨め度(MAX5):★★★★☆
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セレクトブックの目次
 それから※ 夏目漱石 
 ジュリアとバズーカ アンナ・カヴァン
 落葉拾い 小山清
 サンクチュアリ※ フォークナー
 せどり男爵数奇譚※ 梶山季之
 晩年 (道化の華)※ 太宰治 
 クラクラ日記※ 坂口三千代
 蔦葛木曽桟※ 国枝史郎
 ふたり物語※ アーシュラ・K・ル・グイン
 たんぽぽ娘 ロバート・F・ヤング 
 フローテ公園の殺人※ F.W.クロフツ
 春と修羅※ 宮沢賢治 

※は抜粋で、第一章などの部分掲載ということ

また最後に収録された作品について、ビブリア古書堂の作者である三上さんの話が載っています。

私はビブリア古書堂が好きで全冊を読んでいるのですが、多くの人と同じように「たんぽぽ娘」が読みたい!と思っていました。しかし「たんぽぽ娘」は絶版本であり、しかもビブリア古書堂で人気が出て、古書価格が上がっている、など話をネットで読んだことがあったので、どうしようかな、と思っていたら、この本が発売されたので、買ってしまいました。

真っ先にに「たんぽぽ娘」を読みました。感想は栞子さんが言うように、素敵な話です。あぁ、なるほど、そういう結末かぁ、と言う感じで、読み終わった後、ほんわりとしました。栞子さんのお母さんがお父さんにプレゼントしたというのも、納得です。今回の本の中で、一番好きな話です。

落葉拾いも良い話です。貧しい男と働き者の少女のお話です。ビブリア古書堂で、志田が話していたように、現実ではないかもしれなく、作者の想像だと思いますが、なんだかほっこりできる作品です。又、ジュリアとバズーカも独特の世界観で、面白かったです。

この本の感想というと、ビブリア古書堂を読んでキーになった話や気になっていた話が多かったので満足ですが、抜粋が多いので、続きが気になって‥と言う感じです。まぁ、様々な話が入っているからしょうがないんですけどね。

それに私はいわゆる、昔の文学を読んでいません。太宰治や夏目漱石、宮沢賢治なんかもほとんど読んでおらず、今回読んでみて、こんなかんじなんだ、と知ったほどです。子供向け用の、注文の多い料理店なんかは読んではいますが。でもやはり私はちょっと苦手かも。

だからこの本は、続きが気になるのは嫌という人には向きませんが、この本を読んで気になったら、その本を読んでみよう、というスタンスの人にはOKです。

尚、ビブリア古書堂でキーになった話が結構網羅されています。「せどり男爵数奇譚」は笠井菊也がでてきますし、「晩年」では大庭葉蔵です。「それから」では、五浦のお祖母さんが五浦につけた名前のモデル、代助がでてきます。「春と修羅」では、昴や永訣の朝で出てきます。

それに栞子さんのお母さんが栞子さんに残した「クラクラ日記」もあります。尚、私はビブリア古書堂で読んだイメージで勝手に、坂口三千代と安吾は不倫の関係かと思っていたのですが、実際は違っていました。2人の関係や考え方が独特で面白いので、今回は抜粋だけということもあり、続きがちょっと気になりました。

ビブリア古書堂が好きな人や、たんぽぽ娘を読みたい人には、オススメです。またネットで感想を見ると、やはり私と同じように、たんぽぽ娘目当ての人が多いみたいです。期待を裏切らない素敵なお話ですよ!

ビブリア古書堂の感想
ビブリア古書堂の事件手帖 ―栞子さんと奇妙な客人たち の感想
ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~の感想
ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~の感想
ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~の感想
posted by ちゃよ at 11:04 | Comment(1) | TrackBack(1) | 趣味本>小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月23日

そうか、もう君はいないのか。作家を目指す夫と、夫を支える妻の愛にあふれた物語



本のタイトル:そうか、もう君はいないのか
著者:城山三郎
お奨め度:★★★★☆
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この本は数多くの経済小説や歴史小説を生み出してきた作家、城山三郎が最後に書き綴った亡き妻との深い絆の物語です。読んだあとに胸が熱くなり、ジーンと来ました。素敵なお話です。

城山と妻、容子との出会いは、学生時代に遡ります。たまたま帰省先の名古屋で、図書館に行くと、図書館が休みでした。その時一人の女性も同じように唖然としていました。そう、その女性が容子なのです。その後は2人で散歩し映画を見ますが、当時高校生だった容子の父の指図で、絶交状を渡されてしまいます。

しかしその後2人は、偶然の再会を果たします。就職(大学で講師)のために実家に戻った城山が、ダンスホールに行き、そこで踊っている容子を見つけたのです。そしてその後2人は連絡を取り合い、デートを重ね、やがて結婚します。読んでいて、本当にこんな偶然あるんだ!と驚いてしまいました。まさに、運命なんでしょうね。

その後城山は講師をしながら、小説を書き始めます。容子はそんな城山を支えます。献身的に、でも明るく。例えば、城山が初めて小説で賞をとった時に5万円というまとまった金額が手に入った時のこと。城山は夏休みの間、妻子を置いて信州などに出掛けて執筆することに。しかも苦労して書き上げた作品は、あっさり没。でも容子は何一つ文句も質問も言わないのです!

それもすごいですが、もっとすごいのがその理由です。「とにかく食べて行けて、夫も満足しているから、それでいい」−おかげで城山はじっくり自分のペースで作家を目指すことができたのです。でも、納得ですよね!すごい奥さんです。

その後名古屋を離れ、茅ヶ崎で暮らします。城山は大学の講師をしながら、執筆を続けます。そして数々の小説を生み出し、賞をとります。また時々、城山は取材旅行に行きますが、その時は容子も一緒です。しかし旅行先の楽しみ方は別々で、でも2人一緒で。

なんだか読んでいて、2人だけの世界があるのだな、とわかりますし、時々クスっと笑ってしまいます。すごく素敵な夫婦で、城山が小説家として成功したのは容子のおかげなんだな、と分かります。

やがて城山は大学の講師をやめて、小説一本になります。その後数年が経ち子供達は巣立ち、また夫婦2人だけの生活に戻ります。その後容子の病気が発覚し、容子の死に向けての日々が始まります。

泣きそうになったのが、容子が倒れた時のことです。城山は取材で東京へ行かなくてはなりませんでした。でも容子のことが心配でキャンセルつもりの城山に、娘は言います。お母さんは仕事をすることを望んいでる、と−

城山は仕事へ行くことにしました。そしてその後奇跡的に回復した容子は、開口一番に城山が仕事へ行っていたか、娘に聞いたのです。すごい夫婦愛です!!しかし死は残酷で、容子は旅立ち、城山はひとり取り残されてしまいます。最後は容子らしい、ユーモアあふれるエピソードを交えて。

最後の章は、城山の娘が書いたものです。容子亡き後、城山は7年間心の穴を抱えたまま生きていきます。その間の城山の様子を綴っていますが、娘から見ても容子と城山は素敵な夫婦であったことが伝わってきます。お互いを最後まで大事にしていた夫婦なのです。

読んでいて、こんな夫婦愛もあるのだな、と胸が熱くなりました。そして当たり前だけど、命には限りがあることを認識させられ、後悔しないように夫を大切にしたい。そして城山夫婦のような夫婦関係を築けたら、と思いました。久々に感動した本です。オススメです。

posted by ちゃよ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味本>小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月18日

陽だまりの彼女(あらすじ)。幼馴染の2人が織りなす本当のような嘘の日々



本のタイトル:陽だまりの彼女
著者:越谷 オサム
お奨め度(MAX5):☆☆☆☆
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こちらも今年、2013年10月に映画公開されます。松本潤さんが主人公の奥田浩介さんを、そして上野樹里さんがヒロインの渡来真緒さんを演じます。どんな映画になるのか、小説とは一味違うものになるのか、なんだか楽しみです。

「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」という帯に惹かれ、映画化する前に読んでみました。感想は、ラストが「えー!?」という感じでした。読んでいるうちに、怪しいなと思っていましたが(笑)でも、なんだか心が暖かくなる話です。

浩介と真緒は中学時代の同級生。真緒はとにかくバカで、いじめられっこ。浩介はそんな真緒をかばったことから、クラスから浮く存在になってしまいます。そのあと浩介は真緒に毎日のように勉強を教えたり、学校からの帰りでは公園で話しをして過ごしていました。しかし浩介の転校により2人は離れ離れに‥。

今思えば、両想いの2人。でもその当時の浩介は、真緒への気持ちに気がついているのかどうだか。なにせお年頃ですから(笑)

そして社会人2年目に、偶然に2人は再会します(正確には真緒の陰謀というか、執念が生んだ結果でしたが)。すると真緒はキレイになっており、何よりも賢くなっている。驚きつつも、また真緒に惹かれていく浩介。

やがて2人は恋人同士になり、真緒の両親と会うことに。しかしそこで交際を反対され、更に真緒は子供時代の記憶が無いということを、浩介は初めて知ります。でもそんなことをひっくるめて、浩介は真緒を受けて入れていき、やがて半ば駆け落ち状態で2人は結婚へ。

結婚生活も、とにかくほのぼのとしている2人。仲良しの2人が読んでいて楽しい。つい夫との新婚時代を思い返しちゃいました(笑)。でもこんなにラブラブではなかったな。

でも段々と真緒の体調が悪くなり、真緒に秘密が‥?

最後はハッピーエンドなんだけど、なんだか切ないハッピーエンドでした。私的には浩介が可哀想だけど、でもきっとこれも幸せな形の1つなんだろうなぁ。。。

また本を読んで、浩介の真緒への気持ちが素敵でした。一途に真緒を想う気持ちが優しく、そして羨ましい(笑)それくらい純粋でした。反対に真緒は「スゴイ」の一言。なにせ浩介のために、一世一代の大嘘をついたのですからね。でも最後にはその嘘までも受け入れる浩介。優しいです。

2人で幸せに暮らしてほしい。でも将来きっと真緒はヤキモチを焼くだろうな。それを想像すると、ちょっと楽しいです(笑)

posted by ちゃよ at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味本>小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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